2016.10.11更新

嫡出否認調停・審判を、手続代理人として、2度経験しました。

 

嫡出否認とはこういう場合です。

夫婦の婚姻中又は離婚後300日以内に、妻が他の男性との間の子を産む

→出生届を提出すると、夫との間の子として戸籍に入籍される(嫡出子であると推定されるため)

→その入籍を外すべく、夫が家庭裁判所に嫡出否認調停を申し立てる

→裁判所が夫との子でないことを確認して、調停に代わる審判or審判をする

→同審判書をもって、夫が役所に届け出ることによって、子が夫の戸籍から除籍される

→他の男性が子を認知することができるようになる

 

裁判所が夫との子ではないことを確認する手段としては、

①夫と子のDNA検査、②夫と妻からの聴き取り調査(懐胎時に夫婦関係が形骸化していたこと)、③その他証拠(懐胎時に夫が海外にいたことなど)があります。

名古屋家庭裁判所岡崎支部では、全件、①のDNA検査を行うようです。

例えば、別居原因としての妻の不貞行為があり、他の男性との間の子を出生し、離婚協議継続中に再度同じ男性との間の子を出生した、すなわち、嫡出否認を2度行う必要があり、その2度目の手続においても、再度DNA検査を行います。

静岡家庭裁判所では、②だけで足りました。

この違いは、裁判官の裁量、管轄裁判所の運用によります。

 

DNA検査に75,600円の検査費用がかかり、これを負担するのは原則として申立人夫であることを考えると、

夫と妻に争いがないのであればDNA検査は省略する運用のがありがたいです。手続代理人としては。

 

 

投稿者: さくらい法律事務所